1993, ApJ, 415, 580

Ly\alpha emission from galaxies


この論文では、stellar population synthesisの新しいモデルを用いて、星形成史やIMF(Initial Mass Function)の異なる銀河からのLy\alpha放射を計算する。ここで用いたモデルは、恒星進化のすべてのphaseと、恒星内部や恒星大気の理論における最近の進展を考慮している。本研究でわかったことは、ダストのない銀河はLy\alpha等価幅が50 - 200A であることである。これは、星形成のバーストから数10^7 - 10^9年を除けば、先行研究より有意に高い値である。また本研究では、Ly\alpha放射の観測量に影響を与えうるいくつかの要因(超新星残骸やAGNによる寄与、銀河の向き、ダストによる吸収)についても考察した。そしてこのframeworkを用いて、近傍の星形成銀河やdamped Ly\alpha systems、blank sky、そしてクエーサーやdamped Ly\alphaの仲間からのLy\alpha放射の観測結果や、Ly\alpha放射の探査について解釈を行なった。Ly\alpha放射が弱いか存在しない場合、これはlow-zにあるたいていの星形成銀河や、high-zにあるdamped Ly\alphaにおいてあてはまることだが、観測されるダストの量は大部分のLy\alpha光子を吸収するのに十分であることを示す。それに対して、Ly\alpha放射が強い場合、C IVやHe IIなどのようなhighly ionized speciesが存在しているか、速度幅が大きいか、もしくは近傍にクエーサーが存在しているならば、そのionizing radiationの大部分はAGNから供給されているかもしれないということを示している。primevalな銀河からのLy\alpha放射を多く探査しても結果が得られない場合は、おそらくそれ以前に、銀河がほとんどダストを持たず、Ly\alphaで明るかった時代が存在したのであろう。