2004, ApJ, 617, 707-717

Spectroscopic properties of the z \approx 4.5 Ly\alpha emitters
Dawson et al.


この論文では、LALA(Large Area Lyman Alpha)surveyで発見され、KeckのLRIS(Low Resolution Imaging Spectrometer)で分光されたz\approx4.5にある17個のLAEsと1個のLBGsの可視光でのスペクトルを紹介する。このサーベイでは、共動座標で1.5\times10^6Mpc^3の探査領域にz\approx4.5のLAEsの候補が350個同定された。そして、25個について分光観測を行なった。それにより、18個が確認された(selection reliabilityは72%)。Ly\alpha放射のラインの等価幅は大きいが(メジアンW^{\text{rest}}_{\lambda} \approx 80A)、幅は小さく(\Delta v < 500km s^{-1})、また高い励起状態による放射も見えないことから、これらの銀河はAGNではなく、活発な星形成を行なっている若い系であることが考えられる。primordialな宇宙における銀河形成の理論モデルから、z\approx4.5にあるLAEsの一部はまだnascentであり、金属量の少ない天体かもしれないということが示唆されている。実際、今回の解析で確認された天体のうち3/5W^{\text{rest}}_{\lambda} > 240Aであり(90% confidence)、この値は普通のstellar populationのもとで予測されている等価幅の最大値を超えている。しかし、個々の天体からもcompositeからもHeII\lambda 1640の放射は見られなかったことから、これらの銀河は若いが本当にprimitive(PopIII天体)というわけではない、ということがわかった。