2006, PASJ, 58, 313-334

Ly\alpha Emitters at z=5.7 in the Subaru Deep Field
Shimasaku, K. et al.


この論文では、SDFにあるz=5.7のLAEsの性質について報告する。89天体のLAEsの測光サンプルは、725平方分の観測領域で、NB816バンドで26.0等級(AB等級)までの深さのnarrow-bandのデータから選ばれた。測光サンプルの基準を満たす39天体の分光サンプルは、SubaruとKEck IIで取得されたものであり、そのうち28天体がLAEsとして確認され、1天体は近傍の銀河、そして8天体は未分類となった。また、この領域ではそのほかに24天体のNB816-excessな天体のスペクトルを取得し、そのうち6天体がLAEsと同定された。測光サンプルから求めたLy\alpha光度関数は、\alpha =-1.5で固定して、L \approx 3 \times 10^{42}-3 \times 10^{43}erg s^{-1}の光度の範囲にわたって、L^* = 7.9^{+3.0}_{-2.2} \times 10^{42} erg s^{-1}\phi^* = 6.3^{+3.0}_{-2.0} \times 10^{-4} Mpc^{-3}としたシェヒター関数でよく再現された。そして、確認されたLAEsに対して静止系でのLy\alpha等価幅を求めたところ、測光データの基準を満たす28天体の中でのメジアンW^i_0 = 233Aであった。z=5.7のLAEsのうち、30-40%はW^i_0 = 240Aを超えていることが推測される。これらの等価幅の大きい天体は、Salpeter IMFでの通常の星形成のpopulationsとしてはおそらく説明できないだろう。また、far-UV光度が暗いものはEWsが大きい傾向があるということもわかった。最後に、測光サンプルを用いてM_{\text{UV}} \approx -19.6までの深さでLAEsのfar-UVの光度関数を求め、LBGsのそれと比較した。それによって、赤方偏移の小さいcounterpartsと対照的に、z \sim 6にあるLBGsのおよそ80%がW^i_0 > 100Aであるということがわかった。