等級誤差の計算

SExtractorで測光すると、ちゃんと等級誤差も算出してくれるのですが、あまり信頼性がないんだとか(正しい値よりずっと小さな値を返してくるそうで)。

そんなわけで、測光データの5シグマ限界等級から任意の等級の天体の等級誤差を計算することを考える必要が出てきてしまいました。以下、覚書。


=============================

天体の見かけ等級をm、等級原点をm_0、天体からの(適当に規格化?した)カウント数をNとすると、これらの間には

m = -2.5 \log N + m_0

が成り立つ。一方、5シグマ限界等級をm(5\sigma)、それに対応するカウント数を5\sigmaとおくと、

m(5\sigma) = -2.5 \log (5\sigma) + m_0

が成り立つ。


で、天体の見かけ等級mの等級誤差は、次のように評価することができる:

m (\text{brighter}) = -2.5 \log (N+\sigma) + m_0
m (\text{fainter}) = -2.5 \log (N-\sigma) + m_0


これらの各右辺のN\sigmaに上記の二式を代入すると、m_0が消えて、等級誤差をmm(5\sigma)だけで表すことができる:

m (\text{brighter}) = -2.5 \log \left( 10^{-0.4 m} + \frac{1}{5} \times 10^{-0.4 m(5\sigma)} \right)
m (\text{fainter}) = -2.5 \log \left( 10^{-0.4 m} - \frac{1}{5} \times 10^{-0.4 m(5\sigma)} \right) .


そんなわけで、これを計算してくれるプログラムを書けばよい、と。