2003, ApJ, 586, L111

Subaru Deep Survey. IV.
Discovery of a large-scale structure at redshift \approx 5
Shimasaku K. et al.


この論文では、すばる望遠鏡のSupreme-Camによる広視野撮像データに基づいたz=4.86のLAEsのlarge-scale structureの発見について報告する。Rバンド、i'バンド、そしてnarrow band NB711(中心波長\lambda_c = 7126A、FWHM=73A)で、SDFの25' \times 45'の領域を観測した。これらのデータから、color criteriaを用いてNB711=25.5までで43のLAEの候補を抽出した。続く5つの候補天体の分光観測から、コンタミはlow-zな天体の20%程度であることが示された。LAEの候補天体は、z=4.86では天球上の幅20Mpc、長さ50Mpcのelongatedな領域にclusterされていることがわかった。このサイズは、現在のlarge-scale structuresに匹敵する。このelongatedな領域は、surface overdensityの高い(\delta_\Sigma = 2)半径12Mpcの円形領域を含んでいる。これは銀河clusterのprogenitorにあたるかもしれない。この円形領域が空間的なoverdensityが2の球であると仮定して、観測結果をCDMモデルからの予想と比較している。それによると、\sigma_8 = 0.9での\Omega_0 = 0.3flatモデルでは、LAEsのバイアス・パラメータがb \approx 6とした場合、そのような球状の領域の数は観測された個数(今回のsurvey領域に1個)とconsistentであることがわかる。この値は、z\approx 5のLAEsを持つダークハローの典型的な質量が10^{12}M_\odotのオーダーであることを示している。そのような大きな質量は、LAEsの性質についてinterestingな問題を提示する。