2004, ApJ, 613, L9-L12

A strong Ly\alpha emitter at z=6.33 in the Subaru Deep Field selected as an i'-dropout
Nagao et al.


この論文では、SDFで発見されたz=6.33にある星形成銀河について報告する。この天体はSDFのdeep optical imaging surveyにおいてi'-z'カラーが赤いことから、i'-dropoutな高赤方偏移銀河の候補として選択されたものである。続く分光観測によって、この天体はUV連続光の弱い、強いLAEであることがわかった。検出されたLy\alpha放射の静止系でのEWは130A程度である。したがって、z' imageで受かった光の多くはLy\alpha放射であると考えられる。つまり、z'バンドでのフラックスのおよそ40%が強いLy\alpha放射によるものであり、かなりi'-z'カラーが赤くなっている。このことは、この天体の測光観測からわかった性質ともconsistentである。というのは、NB921バンドのデータからdepressionがわかっており、z' -NB921=-0.54 magであったのである。測光データを用いて、SDFで見つかった48個のi'-dropoutな高赤方偏移銀河の候補の中で、他にもNB921 depressionがあるものが存在するということを示す。そしてNB921-depressedな天体の性質について簡単に議論する。